院長であるわたしの鍼灸学生時代と研修生、鍼灸業界に入るまでを
あらためて振り返ってみようと思います。
鍼灸師になろうと思ったきっかけは、
院長紹介でも触れていますが、中学生の時に鍼灸治療を受けて衝撃的な経験をしたからです。
小学生から始めたサッカーはずっとゴールキーパーをやっていました。
毎日の 練習がとても厳しく、いつもヘトヘトになるまでみっちりとしごかれていました。
ケガまでとはいかないケガを経験しつつ、いろいろとからだに不調を抱えるときもありました。
練習中、水を飲むなと言われていた時代でうまい選手はケガをしないとも言われていました。
当時は純粋だったのあり 『うまくないからケガをするんだ!』と思ってがむしゃらに練習に打ち込んでいました。
がんばってがんばった練習の成果が出て、学生最後の大会のメンバーに選出されることができました。
せっかく試合に出られるから歴代の先輩よりいい成績を残したい!といっそう練習に励んでいたのですが、
張り切りすぎたのか、無理をしていたのか大会の1カ月前にまさかのアクシデント。
一日でも早く治して練習に復帰するため病院に行ったものの、
医師からは『骨には異常がないから、湿布貼っ て様子をみましょう』と言われるに終わった。
まだ当時は 痛みや体に関する知識が全くなかったので、医師の言うことを素直に聞くしかありませんでした。
すると、監督の知り合いの鍼灸師を紹介された。
初めて「しんきゅう」という言葉を聞いた少年は、大まじめに『なんですか、それ?』と監督に質問した。
とにかく治るならなんでもいいと早速治療へ行くことにしました。
先入観が全くない状態で治療を受けた彼には、「痛い」「怖い」「怪しい」といった感覚は一切ありませんでした。
数回治療に通うとケガの痛みが無くなり無事練習に復帰できた。
無事に試合に出られたことと好成績を収められたことが嬉しくて、
鍼灸院の先生にそのお礼と報告をしに行くと、先生からは驚くひとことが返ってきた。
『あのとき、風邪ひいてたよね?一緒に治しておいたから。』
確かに初めて治療に来たときは風邪をひいていて、鍼灸治療のあとには治っていた。
思い返した少年に衝撃が走り、彼の人生が大きく動いた瞬間だった。
『はりって、なんてすごいんだ!』
このことがきっかけで、「鍼灸師」という職業に興味を持って
高校を卒業するときの次の進路は鍼灸学校に通って「鍼灸師になる!」と決めていた。
『みんなきっと喜んでくれる!』
将来の目標が決まった少年は、早速、両親や担任の先生、サッカー部の監督、
治療してくれた鍼灸師さんに相談しに行きました。
予想を反して相談した人すべてからの返ってきた答えは、「まだだめ」でした。
『鍼灸師になりたい気持ちがあるのなら、
身体が丈夫であれば何歳からでも始められる。
まずは人間性を磨いて社会を知りなさい。』
というわけで、鍼灸師になる専門学校への進学ではなく
人の心理を学ぶべく大学の心理学部にすることになりました。
しばらく続いていきます。
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